医療コラム
2012.08.24
あひるレター9月号
クループ
最近乳幼児のクループ症状を起こす子供さんが多いです。入院に至る場合もあります。
《症状》
のどの奥(声を出す声帯のところ)あたりが腫れて、オットセイの声のような(犬が吠えるような)咳が出ます。声がかすれたり、出なくなったりします。のどの腫れがもっと強くなると、息を吸うのが苦しくなります。
《治療》
薬を蒸気にして吸入させ、気管支を広げ、痰を出しやすくする飲み薬も飲みます。
《家庭では》
① 室内の加湿
湯気をたてる、加湿器を使う、洗濯物を干すなどして空気を湿らせましょう。
② 水分の補給
咳込む時は温かい飲み物をすこしずつ何度も飲ませしょう。
③ 食べ物
息苦しくなかったら、本人の食べられる物を少しずつ与えましょう。
④ 入浴
息苦しい時や高熱でなければかまいません。
《こんな時は早めの診察を》
① 息苦しそうな時
② 強い咳で眠れないとき
③ 水分をあまり飲めないとき
④ 熱が高い時
⑤ 咳込んで吐くとき
『やる気脳を育てる』
~澤口式 HQ理論~
先日脳科学者の澤口俊之先生の講演を聞く機会がありましたので、一部をご紹介します。
知能指数(IQ)と比較して、人間性知能(HQ)理論を提唱されています。脳の統合センターとしての前頭前野の働きが8歳までに大切になります。
① 未来志向的行動力
明確なビジョンとぶれない信念
あきらめないこと、道を切り開く気概
② 社会関係力
他者のありがたみを知る
相手の立場を意識する
この二本の柱を中心に、
③ 主体性、独創性
④ やる気、集中力
⑤ 探究心、好奇心 を育てていきます。
そのための方法論としては、
一番に『ほめること』
それも、できた結果や成果をほめるのではなく、努力した過程をほめること。
そして『夢を持ち目標をたてて、実行する』
大きな目標も大切ですが、実現可能な小さな目標からはじめて→努力し→努力の過程をほめる→レベルアップした目標をたてるというサイクルに持っていきましょう。
2012.08.03
あひるレター8月号
風疹
最近、首都圏や関西地域で風疹が流行してきています。
≪症状≫
潜伏期を2~3週間おいて、赤くて小さな発疹が体中に出ます。熱は全くでないか3日くらい出て下がります。関節痛を訴えることがあります。
≪治療≫
症状によってかゆみ止めや痛み止めの対症療法になります。
≪登園・登校≫
熱がなく、発疹が消えるまで
≪妊婦さんには気をつけて≫
妊娠中に風疹にかかると、生まれてくる赤ちゃんの目や耳や心臓に障害をきたすことがあります。風疹の子を妊婦さんには近づけないようにしましょう。
また、予防として、麻疹風疹混合ワクチンを受けましょう。1期(1歳から2歳未満)と2期(年長児)があります。今年まで3期(中学1年生)4期(高校3年生)もあります。
中学1年生の方は過去に麻疹に罹った方がおられるかもしれませんが、風疹の免疫をつけるためにも麻疹風疹混合ワクチンを受けましょう。
熱中症にご注意!
1) 外出の際は帽子着用、水分や塩分補給に気をつけましょう
2) 蒸し暑い室内でも起こります
3) Ⅰ度はめまい、発汗、筋肉痛など
Ⅱ度は頭痛、嘔吐、倦怠感など
Ⅲ度は意識障害、けいれんなど
おかしいなと思ったら早目の休養をとり、涼しい場所に移りましょう
夏休みは予防接種のチャンスです!
日頃学校や部活に忙しい高学年の方は、夏休みが予防接種のチャンスです。早目に計画を立てましょう。
① 小学6年生 二種混合(破傷風・ジフテリア9
② 中学1年生 MR(麻疹・風疹)3期
③ 中学1年から高校1年生女子 子宮頸がん
④ 高校3年生 MR(麻疹・風疹)4期
⑤ 日本脳炎特例
平成7年6月1日生まれから平成19年4月1日生まれまでは終わっていない分の日本脳炎ワクチンが公費でできます。