医療コラム

2013.09.30

おたふくかぜワクチンの2回接種

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)                       
1.おたふくかぜとは
ムンプスウイルスが体内に侵入して2~3週間後に、咳、鼻水、発熱と耳の前下にある唾液腺・耳下腺、下あごの下にある唾液腺・顎下腺が腫れます。丸顔のおたふく面のようになるので、おたふく風邪と呼ばれています。ほとんど両側腫れますが、片側だけのこともあります。
 
2.合併症
おたふく風邪患者の約10%に髄膜炎、約0.2%に脳炎があります。最近は、おたふく風邪に罹った1,000人のうち1人に難聴が起こると言われています。おたふく風邪による難聴は高度で、自然治癒が期待できないと言われています。膵炎、精巣炎・精巣上体炎(睾丸炎)、卵巣炎などの合併症もあります。
 
3.おたふくかぜワクチンの対象
1歳過ぎたら接種可能です。日本では1回接種になっているので、1歳過ぎで集団生活をする前に接種が望ましいとされています。実際に防御として世界的に言われている効果は75~91%です。抗体価定着のためには世界的にも、日本小児科学会でも年長児での2回接種を推奨しています。
 
4.おたふく風邪ワクチンの副作用
副作用は比較的、少ないです。アレルギー反応の重篤なアナフィラキシーがありますが、適切に治療すれば、大丈夫と言えます。おたふく風邪ワクチンは、ウイルスを弱毒にしたものですが、毒性を全くゼロにはできていません。1,200人に1人、無菌性髄膜炎を起こすかもしれません。自然に罹ると10~20人に1人ですから、頻度は少ないです。ワクチンによる難聴は非常にまれで数十万人に1人程度と言われています。また、発熱や耳下腺の腫れが軽く見られることもあります。
 

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