医療コラム
2013.03.25
あひるレター4月~ヒブ・肺炎球菌・子宮頸がん定期化、風疹流行、3か月健診個別
風疹が流行しています
風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、流行は春先から初夏にかけて多くみられます。潜伏期間は2-3週間(平均16-18日)で、主な症状として発疹、発熱、リンパ節の腫れが認められます。ウイルスに感染しても明らかな症状がでることがないまま免疫ができてしまう(不顕性感染)人が15-30%程度いるようです。一度かかると、大部分の人は生涯風疹にかかることはありません。従来、集団生活にはいる1-9歳ころ(1-4歳児と小学校の低学年)に多く発生をみていましたが、近年は多くが成人男性となっています。風疹ウイルスは患者さんの飛まつ(唾液のしぶき)などによってほかの人にうつります。発疹のでる2-3日まえから発疹がでたあとの5日くらいまでの患者さんは感染力があると考えられています。感染力は、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほどは強くありません。
風疹の症状は子供では比較的軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、2,000人から5,000人に一人くらいの割合で発生することがあります。その点では軽視できない病気です。また、大人がかかると、発熱や発疹の期間が子供に比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。
妊婦とくに、妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんがうまれる可能性があります。これらの障害を先天性風疹症候群といいます。
風疹の予防接種は麻しん風疹混合ワクチンとして、1歳児と年長児の2回定期接種としておこわわれています。平成25年3月までは現高校3年生と中学1年生に特例期間として接種ができます。まだ接種されていない方はぜひ接種をしてください。
予防接種の定期化
平成25年度から、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・子宮頚がんワクチンの3ワクチンが定期接種となります。対象は
① ヒブワクチンは、今まで通り初回の月齢で
2カ月~7カ月未満 4回
7か月~1歳未満 3回
1歳~5歳未満 1回
② 肺炎球菌ワクチンは、今まで通り初回の月齢で
2か月~7か月未満 4回
7か月~1歳未満 3回
1歳~2歳未満 2回
2歳~5歳未満 1回
③ 子宮頚がんワクチンは
中学1年生から高校1年生女子に
(希望があれば小学6年生も)
3回
3か月健診が個別になります
平成25年度から人吉市では3カ月健診が各医療機関(当院、たかはし小児科内科医院、堤病院九日町診療所)で個別に行われることになりました。子どもさんの体調が良いときに、個別に健診をすることができます。
3か月健診は前もって市の保健センターから問診票が届きますので、3~4か月頃に予約してください。
また、個別の予防接種も同時に行うことができます。ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、4種混合、ロタワクチン、B型肝炎ワクチンなどの時期に重なっていますので接種についても同時にご相談ください 。