医療コラム

2012.10.30

あひるレター11月号

《四種混合ワクチンがはじまります。》

 三種混合(百日咳、破傷風、ジフテリア)と不活化ポリオ(セービン株)の四種混合ワクチンが平成24年11月から始まります。

  ≪対象≫
 各市町村から連絡がありますが、対象は一回も三種混合とポリオを受けておられないかたで、生後3ヶ月から90か月までに4回接種します。

  ≪接種スケジュール≫
     初回接種は3~8週間あけて3回接種
     追加接種を、初回接種終了後6か月以上おいて(標準では12~18か月)
     三種混合とポリオをそれぞれ接種された方は、基本的に追加接種まで三種混合と不活化    ポリオで接種をされてください。

  ≪副反応≫
     局所の発赤。腫脹、硬結
     全身の発熱  など


《眠りは心と身体を育む源》
~日本小児科医会 神山潤先生の講演より~

 子どもに睡眠が大切であることはすでに周知のことでしょう。しかし、実際には大人の社会の都合でなかなか実践に至っていないことが多いようです。我が家を振り返っても早寝をさせることは親の努力が必要です。

  そこで演者は、四快を提唱しています。
四快とは・・・
   快眠(よく寝る)
   快食(よく食べる)
   快便(よい便が出る)
   快動(よい運動をする)
無理やり寝かせつけ、睡眠をとらせようとしても苦痛になります。
早起きはきもちいいから早起きをする。
寝不足は気持ちがよくないので眠りを大切に。
 
そのための基本的なスキルとしては
   朝の光を浴びること
   昼間に活動をすること
   夜は暗い所で休むこと
   規則的な食事をすること
加えて・・
 眠気を阻害する嗜好品(カフェイン、アルコール、ニコチン)、過激なメディアは避ける



《乳幼児の貧血》
 
鉄分は血液の赤血球をつくる大切な材料です。鉄分の蓄えが少ないと、貧血になります。
 乳幼児は胎児の時にお母さんからもらった鉄分の蓄えが少なくなり、また体重が急に増えるので鉄分が不足しやすくなります。
 貧血が持続すると、心身の発育に支障がでることがあります。
 
≪治療≫
   鉄剤
   食事では
 レバー、肉類、卵黄、魚、スイートポテト、パン、グリンピース、レーズン、ドライフルーツ、大豆、ほうれん草など
 
  ※牛乳貧血
    1歳まではあまり牛乳を飲ませないようにしましょう。1歳過ぎても1日600ml以上飲むと、鉄分の吸収を阻害し、貧血になることがあります。

2012.10.02

あひるレター10月号

《インフルエンザワクチンの話》

今シーズンも10月からインフルエンザの予防接種をいたします。
2011年と2012年のインフルエンザワクチンについて説明します。
2011年に使用されたインフルエンザワクチン(2011〔平成23〕年度製造株)には、A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09株、A/ビクトリア/210/2009(H3N2)株(A香港型)とB/ブリスベン/60/2008株が含まれていました。2012年に使われるワクチンでは、A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09株が2011年同様に含まれています。2009年以前のH1N1株はAソ連型といわれる株が流行していましたが、2009年以降はいわゆる新型インフルエンザ(現在はpdm09株といいます)の流行が続いています。
2012年も2011年と同じ株がワクチンに使われていますが、前年に受けたワクチンの効果はすでに減弱しているので、あらためて接種が必要です。また、2012年のワクチンには、A/ビクトリア/361/2011(H3N2)株(A香港型)とB/ウィスコンシン/1/2010株が含まれています。これは2011年の株と違いますから、2012年シーズンの流行に向けて、新たに選定されたワクチンを接種することが大切です。
ご希望があれば生後6か月からの乳児も接種をするとはできますが、大人の方がしっかり予防してインフルエンザをもちこまないようにすることをおすすめします。
 
≪予防接種スケジュール≫
生後6か月から3歳未満
1回0.25mlを2~4週間あけて2回接種
3歳から13歳未満
1回0.5mlを2~4週間あけて2回接種
13歳以上
 0.5mlを1回又は2回接種
 
≪症状≫
   高熱が3~5日以上
   咽頭痛、咳、鼻水
   全身倦怠、食欲不振
   頭痛、筋肉痛、腹痛など
 
≪検査≫
迅速検査がありますが、100%ではありません
≪治療≫
内服や吸入の治療薬があります
≪家庭では≫
   安静が一番
   寒すぎず、暑すぎないように
   食事は消化の良いものを
   入浴は高熱でなく、疲れさせない程度なら良い
 
《麻疹が発生しました!》
9月に成人の麻疹の患者発生がありました。
お隣の宮崎県での発生です。
東南アジアに行かれた成人の方で、その方から他に二人の成人の方がうつりました。
 麻疹はまだ日本では完全撲滅にはなっていません。麻疹の1期から4期までの予防接種対象の方は早急に予防接種を済ませましょう。
1期     1歳から2歳未満
2期     年長児
3期     中学1年生(今年度まで)
4期     高校3年生(今年度まで)
 
≪麻疹の症状≫
はじめの2~3日は熱、咳、鼻水、目やになどのかぜ症状が出る。その後いったん熱が下がり、再び高熱が出ると同時に全身に発疹が現れる。
≪麻疹の合併症≫
肺炎や脳炎を起こしてきます
 
 
 
 

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